環境が市町村によって異なるケースもある

プログラミング教育が、国内で必修化されることになりました。スマートフォンやコンピューターが、現代人の暮らしにとって大変身近なものになった今、プログラマーの需要は過去最大になっているともいわれています。そのため、プログラミング的思考を体得し、一流のプログラマーとして企業に就職したい、自作のゲームアプリを開発したいなどの夢を抱く若者も出てきたのです。しかし、プログラミング的思考を学ぶうえでは、国内の体制にはまだまだ課題が山積です。

まず最初に指摘されるのが、指導者不足です。国内では、プログラミング的思考は新しい教育分野です。一般市民やごく普通の学生が気軽に受講できる、プログラミング的思考の講座はあまり充実していません。専門学校や理科系の大学や大学院に通わなければ、十分なプログラミング的思考を学ぶ機会がそもそも得られません。情報系のコースがある高校でも、最新のプログラミング技術を指導できる教員は少なく、地域によって得られる教育環境には深刻な格差があります。

次に、プログラミング教育の問題点として大きいのが、初期投資の大きさです。公立小中高がプログラミング教育に力を入れようとしても、十分な予算が得られず、計画を断念しなければいけない実態があります。プログラミング教育には最新のソフトウェアが必須であり、それを稼働させるには同じく最新のハードウェアが必要です。学校に生徒分の最新マシンを導入し、さらに全生徒分のソフトウェアのライセンスを購入するとなれば、公立学校では用意できない高額な投資費用が発生します。そのため、住む市町村の財政状況によって教育格差が生まれるのです。